大空と飛び交う鳥の群れ、水族館で渦を作っているイワシの群れ…僕はそれを見るのが大好きです。そういった生き物の群れに共通する“普遍的な法則”を、一緒に探ってみませんか?明日から、あなたの群れの見え方が変わるはずです。
「自発的対称性の破れ」という言葉は、2008年に南部陽一郎先生がノーベル物理学賞を受賞された時にニュースで聞いた覚えのある方がいるかもしれません。「自発的対称性の破れ」は、実は非常にシンプルな概念ですが、磁石・超伝導・液晶・ヒッグス粒子の理論など、現代物理学のあらゆる所で重要な役割を果たしています。
この「自発的対称性の破れ」を通して、群れを見ると、分かることがあります。ここでは、生き物の群れを、物理屋さんがどのように単純化して「群れ運動の数理」を抜き出すのかというアプローチを体験してもらいたいと思います。群れ運動を実験的に追究するための「生き物のように自ら動き回る人工的な粒子」による実験も紹介します。